「ICTを活用したフレイルチェック」高齢者の約4割が「要介護になる一歩手前」と判定

〜 鳥取県米子市のモデル地区にて高齢者へのフレイルチェックを実施〜

株式会社コロンブスは、鳥取県米子市と令和元年度から「『ずっと元気にエンジョイ!よなご』健康寿命の延伸大作戦プラン」事業を実施し、その一環として厚生労働省が作成した基本チェックリストをシステム化した「ASTERⅡ」を提供。米子市は、「ASTERⅡ」を活用したフレイルチェックをモデル地区で実施。その結果約45%が要介護の一歩手前と言われるフレイル・プレフレイル状態であることが判明しました。
米子市健康対策課HP▶ https://www.city.yonago.lg.jp/1107.htm
株式会社コロンブスHP▶ https://columbusegg.co.jp/aster2

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調査結果トピックス

  1. 米子市モデル地区にて、要介護認定者を除く64歳以上の高齢者全員を目標に基本チェックリストをベースに「フレイルチェック」を実施。
  2. フレイル早期発見システム 「ASTERⅡ」にて、フレイル判定を自動化し、結果をその場で提示。
  3. 実施した結果、45%がフレイル・プレフレイル状態(要介護になる一歩手前)だと判明。

《トピックス1》

64歳以上の高齢者全員(要介護認定者を除く)を目標にフレイルチェックを実施
フレイルチェックは、「フレイルの疑いがあり」「フレイルになる一歩手前」「フレイルの可能性は低い」の3つに分類し、高齢者には今の心身状態をわかりやすく素早く伝えるとともに、米子市では個人単位から地域単位における高齢者の心身状態の把握をすることが出来ました。 フレイル予防をするにはフレイルを早期に発見し、早期に介入することが重要ですが、従来はフレイルの疑いがある高齢者を、数多く且つ迅速に評価することが困難であったために、全高齢者への総括的な対応しかできませんでした。 本事業では、長年介護現場で使用された実績のある「基本チェックリスト」をICT化したシステム「ASTERⅡ」を使用することで、フレイルの疑いがある高齢者を簡便に抽出することが可能となりました。モデル地区において要介護認定者を除く64歳以上の高齢者全員を目標に、フレイルチェックを行い、フレイル・プレフレイルと判定された者に的を絞り、適切な介入指導を行った点が、従来の高齢者の介護予防事業と大きく異なる点です。2020年3月末時点で、531人にフレイルチェックを行っており、受検率は50%にのぼりました。フレイルチェック導入に係る工夫として、事前に自治会など地域組織の理解と協力を得ることや、市及び包括支援センター職員による個々の高齢者への声かけにより、チェックを受けることへの不安を取り除くことができました。

《トピックス2》

「ASTERⅡ」システムで「基本チェックリスト」判定を自動化
これまでは紙の評価票を使用していたため、職員による手作業で時間を有していた基本チェックリストの判定結果算出を、株式会社コロンブスが提供するシステム「ASTERⅡ」で自動化し、即結果を印刷して受検者へ提示することが可能となりました。このことにより受検者がその場で自身の状態を即把握でき、改善意識の醸成に繋がることが確認されました。同時にデータベース化することで個人単位から地域単位における健康状態の傾向や経過を把握することも容易となりました。また点数で表示していた結果内容は、「フレイルの疑いがあり」「フレイルになる一歩手前」「フレイルの可能性は低い」の3つに分類することで、点数よりも分かりやすい表現としました。さらに、総合的評価とともに、生活機能・運動機能・栄養・口腔機能・閉じこもり・物忘れ・うつの項目別評価や、それらを時系列的変化で確認することも可能となりました。

《トピックス3》

45%がフレイル・プレフレイル状態(要介護になる一歩手前)だと判明。
米子市ではモデル地区において、フレイルの疑いがある高齢者のみを対象に、従来の一般介護予防とは別にフレイル予防を目的とした介入指導教室を実施されました。教室は3か月を単位とし、週一回開催し、第1期を9月~12月、第2期を1月から3月に行います。第1期の教室では、フレイルチェックを受けた高齢者の約5割がフレイルの疑いがあると評価され、そのうちの4割の高齢者が介入指導教室に参加し、高い参加率となりました。さらに、参加継続率は100%と極めて高くなっていいます。第1期の教室の実施結果としては、基本チェックリストの項目では運動機能、口腔機能、うつが、体力測定では片脚立位時間、運動の自己効力感が教室参加前後で優位に改善したと言える結果がでました。また、2日に1回以上家庭で自主トレを実施している人の割合が71%と高い結果が出ています。 高い参加継続率が維持された介入指導教室の実施に係る工夫として、市の保健師と地域包括支援センターとで協力し、高齢者のひとり一人の心身状態を見極め、電話や見守りなどのサポートを充実させたことが挙げられます。また教室では、出欠はもとより、参加当日の食事の栄養分類し、運動・栄養・口腔・認知の自宅トレーニングを記録しファイルに綴ることによりモチベーションの維持や自身の変化を認識できる記録表を参加者全員へ配布されています。プログラムには運動指導の前に参加者同士がコミュニケーションをとれるようなリクレーションを取り入れ、さらに最後に合言葉と決めポーズで締めくくり仲間意識の向上を図っています。 令和元年度では、令和2年3月31日時点で531人に到達。その結果、約45%が要介護になる一歩手前である「フレイル」「プレフレイル」の状態であることが判明しました。米子市では、令和2年度は、フレイル予防事業を全市に拡大して行う予算を計上し、市内の65歳以上の高齢者全員のフレイル測定を行う予定です。
※フレイルとは
Frailty(フレイルティー)という英語に由来し、加齢と共に、心身の活力が低下し生活機能に問題がでてくる状態であり、要介護になる一歩手前の段階です。厚生労働省、全国の自治体ではこのフレイルへの対策に力を入れています。

【概要】

  • 事業名:「『ずっと元気にエンジョイ!よなご』健康寿命の延伸大作戦」におけるフレイルチェック
  • 調査対象: 米子市モデル地区 要介護認定者を除く64歳以上の高齢者
  • 調査期間: 令和元年4月~
  • 調査方法: 基本チェックリスト(ASTERⅡ)による判定
新しい生活様式の中で進めるフレイル予防事業についてはこちら▶ https://prtimes.jp/story/detail/jrwGmgFGpr6
 
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